岩波ブックレット
『パレスチナはどうなるのか』

【出版のお知らせ】

現在、パレスチナ情勢は、6月のファタハとハマスの内部抗争、ハマスのガザ制圧、西岸での緊急事態内閣の発足によって、分裂の危機にあります。またイスラエルによるガザ地区の厳しい封鎖によって、住民は今、食料や医薬品、生活物資の不足に苦しんでいます。そのような事態を踏まえ、2007年7月28日、東京で緊急シンポジウム「内紛と分裂? パレスチナはどうなるのか」を開催しました。その内容をまとめた「岩波ブックレット」が2007年11月6日に出版されます。

目を通していただき、率直なご意見、ご批判をいただければ幸いです。

2007年11月5日 エルサレムにて 土井敏邦

内容

岩波ブックレット
『パレスチナはどうなるのか』(土井敏邦 編)

■ これまでのパレスチナの動き
土井敏邦
■ パレスチナはどうなるのか
臼杵陽 (日本女子大学教授)
川上泰徳 (朝日新聞編集委員)
樋口直樹 (毎日新聞外信部デスク)
藤屋リカ (日本国際ボランティアセンター〔JVC〕パレスチナ事業担当)
ラジ・スラーニ (「パレスチナ人権センター」代表)
ハナン・エルクルドゥ (「ガザ子どもの栄養センター」ハンユニス代表)

「あとがき」から

“パレスチナ”と出会って30年、ジャーナリストとして現地取材を始めてから22年になる。そんな私が最も見たくなかった「パレスチナ人同士が争い殺しあう」事態が起こってしまった。私の戸惑いと失望、そして「パレスチナはどうなるのか」という疑問は、“パレスチナ”に関心を持ち、関わってきた多くの人たちが共通に抱いている思いに違いない。その疑問にわずかでも“答え”を提示していくこと――それが、長年“パレスチナ”を伝えてきた者としての“責務”だと思った。ただ、それはとても私独りで担える仕事ではなかった。研究者、ジャーナリスト、NGO関係者らパレスチナ問題の第一人者たちに協力を求めると、彼らは快諾してくれた。2007年7月28日の緊急シンポジウム「内紛と分裂? パレスチナはどうなるのか」はそのような経緯で実現した。参加者は100人を超えたが、様々な事情で参加できなかった方、とりわけ遠い地方の方々にも、その議論の内容を伝えたい、活字にして出版したいという私の願いが本書で結実した。(土井敏邦)

岩波書店 『パレスチナはどうなるのか』紹介サイト