土井敏邦監督
映画『“私”を生きる』完成記念上映会

2010年4月11日(日曜日)開場:午後1時30分/開演:午後2時
明治大学 駿河台キャンパス リバティータワー 地下1F 1001教室

2007年2月から取材・撮影を開始した映画『“私”を生きる』がやっと完成しました。ドキュメンタリー4部作『届かぬ声ーパレスチナ・占領と生きる人びと』(『沈黙を破る』のDVDは3月発売、他の3部は5月にDVD発売予定)と同時平行して制作してきたため、3年を要してしまいました。国内の異様な右傾化に、ジャーナリストの1人として何かをしなければという思いで続けてきた仕事です。舞台は教育現場ですが、大きな社会の流れに個人が抗って生きる、その凛とした“生き様”は、教育現場を超えて人びとの心に届くはずだと信じ、なんとかして伝えたいという思いに突き動かされて制作しました。5月にDVD化の予定です。また劇場上映の道も模索しています。

土井敏邦

映画『“私”を生きる』とは

東京都の教育現場で、急激に“右傾化”が進んでいる。卒業式・入学式で「日の丸・君が代」が強制され、教師たちの言論は、厳しく統制されてきた。

その「教育の統制」の巨大な流れに独り毅然と抗い、“教育現場での自由と民主主義”を守るため、弾圧と闘いながら、“私”を貫く教師たちがいる。

これは「教育」問題や「日の丸・君が代」問題を論じるドキュメンタリーではない。

日本社会の“右傾化”“戦前への回帰”に抵抗し、“自分が自分であり続ける”ために、凛として闘う、3人の教師たちの“生き様”の記録である。

出演

根津公子(中学校教員・家庭科)
卒業式・入学式の「国歌斉唱」で不起立を続け、3年にわたり、「6ヵ月の停職処分」を受けてきた。「『教員を続けるために起立しては』と言われるけど、私は『今の状態は危ない。上からの命令に黙って従うことは恐ろしい明日を創ってしまう』と子どもたちに身体ごと訴え、伝えていく責任があります。それが今一番必要な教育だと思っています」
佐藤美和子(小学校教員・音楽専科)
キリスト者として、天皇制につながる「君が代」伴奏を拒否し、何度も理不尽な異動を強いられてきた。「辛いと感じる自分の存在に意味があると思えるようになりました。カナリヤが炭鉱の危険を知らせるように、強制がもたらす苦しみ、今の学校の危険、この国が進む方向の危険を知らせる役割を担うことができれば幸せだし、それが私の役目だと思えてきたんです」
土肥信雄(元三鷹高校校長)
都教育委員会による学校現場への言論統制に、現職の校長として初めて公に異議を唱えた。「教育がどんどん右傾化している。言論の自由がなくなったときに、戦前の日本に戻るのではないかという恐怖心があります。以前は不安でも言えなかったが、今言わなければ、あの時の一点になっていなければ後悔する、その後悔だけはしたくなかったんです」

スタッフ

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