土井敏邦 パレスチナ記録の会

パレスチナ・占領”を映像で体験する
『届かぬ声─パレスチナ・占領と生きる人びと』上映会報告

6月5日(土)/6日(日)の二日間で、延べ500人近い方々(ボランティアさんたちを含む)に『届かぬ声─パレスチナ・占領 と生きる人びと』4部作をご鑑賞いただきました。会場まで足をお運びいただいたみなさま、ほんとうにありがとうございました。多くの感想、土井敏邦へのメッセージもたくさんいただきました。重ねてお礼申し上げます。

今回の上映会では、土井が緊急入院となったため、上映後の解説が病院からのビデオ映像となりました。本当に申し訳ありませんでした。あれから土井敏邦は順調に回復し、先日、退院を致しました。今しばらくは体力気力を整え、再び取材に出られるようがんばっていきたいと申しております。

ガザに再び入れるようにと、イスラエル政府プレスカード拒否に対する抗議署名にたくさんの方のご署名をいただきました。ありがとうございました。

今後ともご支援・ご協力をお願い致します。

土井敏邦 パレスチナ記録の会事務局

会場で読み上げた土井敏邦からのメッセージ

土井敏邦です。

昨日の朝、軽い脳梗塞で入院してしまいました。一番、大事な時 にみなさんに直接ご挨拶できず大変申し訳ありません。

私にとって、この4部作は“パレスチナ”と関わった20数年間 の仕事のまとめの意味があります。自分にとって“パレスチナ”と関わるということはどういう意味があったのか、自分が生きることと“パレスチナ”とにどんな関わりがあったのか、を再確認し、反芻する作業でもありました。だからこそ、時間がかかっても、全編の荒編集を自分自身でする必要があったのです。

4部作で私がやろうとしたのは、イスラエルの占領という構造的な 暴力の構図を、具体的で等身大の人の生きる姿とその周辺で起こる事象を通して描き出すことでした。上から見下ろすような俯瞰的で 解説的な描き方ではなく、観る人に「もし、あれが私の息子だったら。」「私の娘だったら。」「自分の父親だったら……」と自身に引き寄せて想像し感じ取ることができる作品にすること──それが私の目指したものでした。

現在、この4部作に続く第5部を制作中です。第1部で描き切れなかった、2000年第2次インティファーダ以後のガザを、先日来日したラジ・スーラーニの生き方を縦糸にし第2次インティファーダ、入植地撤退、封鎖、ハマスの支配などこの間の事件を横糸にして描きます。今年中には完成させたいと思っています。

レイチェルコリー号拿捕のニュースを聞いた朝に
2010年6月6日 土井敏邦