映画『沈黙を破る』関連イベント
ガザ攻撃の終結から2ヵ月経った3月下旬、イスラエル軍兵士のよる民間人虐殺の事実がイスラエル国内や欧米メディアでも明らかにされ、世界に大きな衝撃を与えました。
イスラエル国内の街角でみかける普通のあどけない青年たちが、なぜ占領地で残虐な行動に走るのか。兵士たちは占領地でどういう心理状態なのか。
占領地での加害の実態を内部告発した元イスラエル軍将兵たちのグループ「沈黙を破る(Breaking the Silence)」のメンバーの1人で映画『沈黙を破る』にも登場する元イスラエル軍将校ノアム・ハユット氏が来日し、占領地やガザの戦場でのイスラエル軍将兵の実態を報告します。
占領地に赴いた経験をもつ元イスラエル将兵たちによって作られたNGO。創設者で代表のユダ・シャウールをはじめ、20代の青年たちが中心となっている。占領地での、虐待、略奪、一般住民の殺戮等の加害行為を告白することにより、今まで語られることのなかった占領の実態にイスラエル社会が向き合うことを願っている。2004年6月、イスラエル最大の都市テルアビブで、「沈黙を破る──戦闘兵士がヘブロンを語る」と題した写真展を開催。占領地で撮影した写真や60人の兵士たちの証言ビデオなどが展示され、国内で大きな反響を呼ぶ。以後、数百人の証言ビデオを収集し、メディアや講演、ウェブサイトを通じて国内外に占領の実態を訴え続けている。
沈黙を破る(Breaking the Silence)公式サイト
関連書籍:
『沈黙を破る─元イスラエル軍将兵が語る“占領”─』
土井敏邦
(岩波書店)
「沈黙を破る」メンバー。1980年、イスラエル北部の農村出身。両親ともイスラエル出身。父親は農場経営、母親は高校の学校教員で平和活動家。1998年に入隊し、5年近く軍隊生活を送り、後半は軍将校として部隊を指揮した。
私は、その朝の光景を今でも思い出します。
軍のブルドーザーがオリーブの木々を全部破壊した後に、80歳ほどの老人が50代の息子、そして孫たちと破壊された畑にやってきました。その前夜にすべてのオリーブの木々が破壊されてしまったことを、この家族はまったく知りませんでした。
畑の木々が切り倒されるということが農民にとってどれだけ辛いことか、農村出身の私にはそれがわかっていました。そのオリーブの木々はその老人の父親か祖父が植えたものなのでしょう。それは単に日々の糧を得るためのものではなく、彼らの“人生”そのものを失うことだったのです。
イスラエル国民はラジオで「イスラエル軍が入植者の通行する道路の安全を確保した」というニュースを聞くことでしょう。それは理屈にかない、道徳的にも何の問題もないように聞こえます。しかし、それはパレスチナ人の生活を破壊することだったのです。
これが、“占領”とは何かを私が実感する最初の体験でした。
2009年5月30日(土)午後2時 - 4時30分(開場 午後1時30分)
会場:明治大学・駿河台キャンパス リバティタワー(1001号教室)
お問い合わせ:doitoshikuni@mail.goo.ne.jp
2009年5月31日(日)『沈黙を破る』午前10時20分の回の上映後
会場:ポレポレ東中野
2009年6月1日(月)『沈黙を破る』午後12時10分の回の上映後
会場:京都シネマ
お問い合わせ:doitoshikuni@mail.goo.ne.jp
2009年6月1日(月)午後6時30分 - 8時10分(予定)(開場 午後6時20分)
会場:第七藝術劇場
お問い合わせ:doitoshikuni@mail.goo.ne.jp