2009年5月16日(土) @ポレポレ東中野
本日のイベントはトークではなく、歌と映像のコラボでした。歌ってくれたのは、友人の岡崎美佳さん。うたごえ合唱団や自主ライブなど、歌と平和をテーマに活動しています。映像は、土井敏邦の映像です。
土井敏邦のパレスチナ記録映画・四部作『届かぬ声』。第一部は、『ガザ─「和平合意」はなぜ崩壊したのか─』です。第一部は、ガザ地区のジャバリヤ難民キャンプに住むバッサム一家を核にストーリーが進んでいきます。
岡崎さんは、このバッサムと家族の在りようにインスピレーションを受け、バッサムの手紙(詩みたいなんです)に曲をつけ歌いたい、と考えたそうです。この手紙は、バッサムが第一次インティファーダの抵抗運動でイスラエル軍に拘束され投獄されていた時、家族に宛てたものなのです。
作詞:バッサム/作曲:港大尋
(歌)
父さん 母さん 僕が手紙を書こうとすると
いつも言葉を失う父さん 母さん 世界でもっとも美しいものを
教えてくれた人を愛し 他人を助け
誠実であることを
父さんの豊かな言葉や振る舞いから
そして母さんの乳を通して
僕は二人から生きる力をもらった僕は「さよなら」とは書かない
ただ「また、あとで」とだけ書く
(朗読)
二人の姿は僕の脳裏から消えることはありません
二人が元気であってくれればそれ以上の望みはありません
どうか、弟妹たちにも僕と同じように教え伝えてください
(歌)
弟ガッサン お前には大きな責任を背負わせてしまった
しかし、お前はそれを引き受けてくれることを信じています
僕たちの最高の宝である家族の世話をどうか宜しくお願いします乾ききった大地が雨を恋しがるように
蜜がほとばしり出る花を蜂が恋しがるように
僕は、あなたたち家族が恋しくてならない僕は「さよなら」とは書かない
ただ「また、あとで」とだけ書く親愛の情を込めて 忠実な息子バッサム
もう一曲は、岡崎さんのお友だちの佐々木淑子さんの歌。2008年12月から2009年1月にかけてのガザ侵攻。ガザの子どもたちが受けた心の傷。戦争の中にある子ども達の歌です。
作詞:佐々木淑子/作曲:藤村記一郎
1.
風は 本当はどんな色をしているの?
いつか 妹と 瓦礫の中から見つけた絵本の中の
遠い国の空の色と同じですか?ぼくらは本当の風を 知らないのです
ぼくらの風は いつも赤い色
爆音といっしょに 燃えながら
ぼくらを追いかけてくる
妹の手を握り 裸足で
ずっと ずっと 赤い風から逃げてきた2.
風が 幸せを運んでくるって 本当ですか?
それなら ひとつお願いがあります
たった一日 赤い風を止めて
妹の小さなお墓の上に
涼しい風を 吹かせてください
やさしく やさしく 吹かせてください
(文責「土井敏邦 パレスチナ記録の会」Q)
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