Webコラム

日々の雑感 413:
誕生祝いのお礼

2022年1月8日

 多くの誕生祝いのメッセージありがとうございました。

 69歳、60台最後の年、来年は70歳です。「もう、おじいさん」と周囲から見られがちですが、“志”、“気持ち”はまだ“青年”のつもりです。
 「このまま人生を終わってたまるか!」と、生きている間にやり遂げるべき目標をたくさん立てて、「全部やり遂げるには100歳まで現役でかんばらなければ」と自分を鼓舞しています。

 昨年暮れに『沈黙を破る・Part2』(3時間55分)の「完成披露上映会」を開きましたが、観てくださった方々から厳しいご意見をいただきました。正月から編集しなおし、2時間48分の劇場版『愛国の告白―沈黙を破る・Part2―』を完成させました。前作『福島は語る』とほぼ同じ長さです。これなら劇場側を説得できるはずです。今年中には劇場公開できればと願っています。また英語版も完成し、世界に向けて発信していくつもりです。

 去年春から本格的に撮影・編集にかかった『福島は語る・Part2』も今年中になんとか形にしたいと願っています。次作は、「生業訴訟」「津島訴訟」の原告の被災者たちの切実な声を伝えます。

 日本社会から「もうフクシマは終わった」と忘れられようとするなか、「故郷、家、生業、共同体、そして“生きる意味”さえ奪われた被災者たちの悲しみ、悔しさ、絶望、そして怒りを伝えずにおくものか!」という思いに突き動かされ、被災から11年になろうとする福島に通っています。

 震災直後、ペーパードライバーだった私が教習所に通って、恐々車に乗り始めてから11年、今では毎回片道5時間を往復し、1回1週間ほどの福島取材中もずっと車で過ごし移動します。取材費を節約するために車中泊。夏場はキャンプ気分ですが、冬は冒険です。12月の取材中、目覚めたら、車の中のコップの水が凍っているのにぞっとしました。これも取材費に事欠くフリージャーナリストの宿命です。
 被災者たちはこの11年間心の奥底に閉じ込めていた思いを吐き出すように語ります。その涙声に聞き入りながら、「“伝え手”として自分がやるべき責務がまだある。『歳だから…』と言い訳なんかしていられない。力尽きるまで“伝え続ける”。それが自分にとって“生きる”ことなのだ」と、69歳になった自分を奮い立たせています。

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