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ファルージャ 2004年4月

「家族が家を追われ、住民が殺されている。
どこに民主主義があるのか」

ドキュメンタリー
『ファルージャ 2004年4月』

イラクにおける米軍占領への抵抗のシンボルとなったファルージャ。

2004年4月、米軍は数千の兵力でファルージャに侵攻した。1ヵ月近い米軍の包囲と攻撃によって住民側の死者はおよそ730人、負傷者2800人に達した。

なぜファルージャが占領への抵抗の拠点となったのか。米軍はどのように攻撃したのか。だれが米軍と戦ったのか。そして住民はどのような被害を被ったのか。

米軍の包囲解除から10日後、ジャーナリスト・土井敏邦がファルージャ市内に入り、現地を取材した。

このドキュメンタリーは、イラク戦争終結から4ヵ月後の2003年8月と2004年5月、ファルージャで撮影した住民の証言を元に、ファルージャ侵攻に至るまでの経緯、攻撃と抵抗の実態、侵攻の被害を追った記録映像である。

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土井敏邦プロフィール

1953年佐賀県生まれ。フリー・ジャーナリスト。1985年以来、パレスチナを取材。93年よりビデオ・ジャーナリストとしての活動も開始し、テレビ各局でパレスチナやアジアに関するドキュメンタリーを放映。著書多数。日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)会員。

「みなさまへ」
土井敏邦

イラクにおける米軍占領への抵抗のシンボルとなったファルージャ。2004年4月、米軍は数千の兵力でファルージャに侵攻しました。1ヵ月近い米軍の包囲と攻撃によって住民側の死者はおよそ730人、負傷者2800人に達しました。

なぜファルージャが占領への抵抗の拠点となったのか。米軍はどのように攻撃したのか。だれが米軍と戦ったのか。そして住民はどのような被害を被ったのか。

米軍の包囲解除から10日後、私はファルージャ市内に入り、現地を取材しました。このドキュメンタリーは、イラク終結後から4ヵ月後の2003年8月と、2004年5月、ファルージャで撮影した住民の証言を元に、ファルージャ侵攻に至るまでの経緯、攻撃と抵抗の実態、侵攻の被害を追った記録映像です。

2004年4月、イラクで3人の日本人の人質事件がおこりました。日本のあらゆるメディアがこのニュースを連日トップニュースで伝えました。それはあたかもこの日本人人質事件だけがイラクの問題でもあるかのような報道でした。しかしちょうどこの頃、米軍はファルージャを包囲し、凄まじい攻撃を繰り返していたのです。私たちはその被害の実態の一部をアルジャジーラやBBCなどの報道、そしてわずかながら日本のメディア報道を通して知ることができました。それでも日本では、「人質になった日本人を救え」の声は上がっても、ファルージャ侵攻に抗議する世論はほとんど起こりませんでした。私は日本のメディアと国民の自己中心主義に強い衝撃を受けました。日本人はイラク人の数百人の生命より日本人3人の生命のほうがはるかに重く、価値があるかのように考え、イラク人の“死”をその数で表すことですべてを理解したつもりになっているように私には思えたのです。それはイラクの人々を“非人間化”することです。だからこそ、私はこのドキュメンタリー映像を通して、ファルージャでの人々の“死”をそれぞれ等身大、固有名詞で伝えることで、殺されていったイラクの人々も私たちと同じように、将来への夢や希望を持つ人間であること、また、その死によって悲しみに打ちひしがれる家族や友人、知人たちがいる人間なのだということを視聴者に伝えたいと願いました。つまりイラクの人々が私たちと同様に感情をもつ人間であることを伝え、理不尽に命を奪われその死をただ数字で数えられるだけの彼らを“人間化”する作業だったのです。

もう1つ、このドキュメンタリー制作の目的は、「テロリズム」とは何かを視聴者たちに問いかけることでした。アメリカのブッシュ大統領は「テロとの戦争」と強調し、アフガニスタンやイラクでの住民の殺害を正当化しています。ではこのドキュメンタリー映像の中で紹介した一般住民の殺害をどういう言葉で表現すべきでしょうか。これこそ“テロ”ではないでしょうか。 “テロ”とは簡潔に定義すれば、「政治的な目的で、一般民衆を殺害または負傷させること」だといえましょう。ではファルージャでのこれらの殺戮は“テロ”ではないのでしょうか。これはまさしく“国家によるテロ”です。私たちは“国家によるテロ”であることを、きちんと伝えるべきあり、けっして「戦争」または「テロとの戦争」などという言葉で、ことの本質から目をそらさせてはならないのです。

これらが、私がドキュメンタリー映像「ファルージャ 2004年4月」を制作した動機であり、伝えたいメッセージです。

土井敏邦

関連書籍情報

『米軍はイラクで何をしたのか』
─ ファルージャと刑務所での証言から ─

アメリカ人4人の殺害への「報復」として、女性や子どもを多数含む700人以上が犠牲になったといわれるファルージャでの虐殺。次々に明らかになる刑務所内のイラク人への拷問や虐待。今なお続くイラク占領の象徴である惨劇の真相に、現地の人々の肉声を通して迫る。 岩波書店 紹介文より

『ファルージャ 2004年4月』

イラク占領米軍によるファルージャ包囲戦。米軍狙撃兵が救急車を撃つ、女性と子どもたちを撃つ。その光景を見たイラク人は言った。「私は47年間、バカだった。ヨーロッパの文明とかアメリカの文明といったものを信じていたんだ」「アメリカがどんな自由を持ってきてくれたというんですか。マシンガンの自由?なら私が銃を取ってあなたを撃つのも自由なんですね」「これが民主主義だって?平和的なデモ参加者を攻撃することが?人びとを殺して建物を破壊することが?」イラク・ファルージャ2004年4月の事態にこそ自衛隊が加担している米軍の占領支配の本質がある。

紹介文 いけだよしこ版 紹介文 益岡賢版

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